高分子吸収体
大量の水を吸水し、吸収した水を内部に保持できる高分子の総称。吸水性高分子、高吸水性高分子ともいう。
高分子そのものの質量の数百倍の大量の水を吸収することができる。
高分子吸収体は電解質のモノマーが重合したものであり、三次元的な網目状の構造をしている。水を吸収すると電離して陰イオンとなり、陽イオンが網目状の構造から放出される。残った陰イオン同士の電気的な反発力によって網目構造が広がるため、たくさんの水を吸収し保持する。このとき、膨潤したゲルとなるため、水は流れ出てこない。
陽イオンを含む水分の吸収・保持はあまり良くない。例えば、水を保持しているポリアクリル酸ナトリウムという高分子吸収体に食塩をかけると、陽イオンのナトリウムイオンが網目構造に入り込むため保持されていた水が流れ出てくる。
高分子吸収体は身近なところでは紙おむつ、生理用品の他、ペットのトイレ、携帯用トイレ、消臭剤、ソフトコンタクトレンズなどに使われている。また、農業や園芸で土に水をよく保持させるめの保水剤や、土木工事用の止水剤としても利用されている。
高分子吸収体は石油系原料から作られるものが多いが、デンプンやセルロースといった植物由来の原料も使われている。
紙おむつや止水材が大量の水を吸収できる仕組み
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