定常波
振動数、振幅、速さが同じで進行方向が逆の2つの波が重なり合うときに現れる波。定在波ともいう。
重なり合う前の2つの波は山や谷の位置が進んでいくが、重なり合ってできた波は山や谷の位置が変わらず、その場で振動しているだけで進んでいないように見える。定常波の媒質の振動が最も激しい部分を腹、全く振動しない部分を節という。
波が進行方向に対して垂直な面で反射すると、波は進行してきた方向に跳ね返される。このとき、もとの波と反射して戻って来る波の重ね合わせで定常波ができる。
ギターなどの弦楽器の弦は両端が固定されているが、弦をはじいて振動させると、弦の両端が節となる定常波が生じ、その振動数が弦の音程となる。
管楽器の場合は、管口で発生した空気の振動の波が管内で反射を繰り返し、波が重なり合い定常波が生じる。両端が開いた開管では、両端が腹となる定常波を生じる。瓶の口に息を吹き込むような楽器は、片方が閉じた閉管であり、閉じられた端が節となる定常波が生じる。発生した定常波の振動数が管楽器の音程となる。
蛇腹のついたホースをぐるぐる回すと音が出るが、これもホースの内部でできる定常波によるものである。
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