Google Chromeをインストールすると、
C:\Documents and Settings\ユーザ名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data
というフォルダが作られます。Windows 7の場合は
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data
にキャッシュの保存先が作られます。
キャッシュのデータがCドライブにあるのは嫌だという人は多いと思います。IEの場合は<Temporary Internet Files>を任意のドライブに移動することができますが、Google Chromeはできません。
Google Chromeを使っているとCドライブがボコボコに。しょっちゅうデフラグをかけています。そこで、この<User Data>フォルダだけ別のドライブにもっていく方法はないかと考えたのですが、まぁあの方法しかないなと思いついたのを今回紹介します。
UNIXを扱った人ならば、こういうときにシンボリックリンクを張れば良いのだということにすぐ気がつくと思います。シンボリックリンクがどんなものかと言えば、
Aという名前のファイルやフォルダの実体をBにする
ということです。Windowsで言うならば、例えば
<C:TEST>という名前で<E:SOURCE>というフォルダにアクセスできる
ということです。
これが利用できればGoogleのユーザーデータ保存フォルダを別ドライブにもっていくことができるわけです。
例えば、
C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data
の実体を
D:\ChromeUserData
とかにするわけです。
昔のDOSにはJOINという命令があって、これを簡単に実現することができたのですが、Windows XPにはこのコマンドはありません。
しかし、あるところにはある。Windows XPで使えるこのコマンドがあるのです。
Junction v1.05
http://technet.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/bb896768(en-us).aspx
こいつをダウンロードしてくれば、上述の方法でGoogle Chromeのキャッシュの保存場所を移動させることができます。
Junctionの使い方は下記の通り
●シンボリックリンクをはる
Junction <作成するフォルダ> <実体をおくフォルダ>
●シンボリックリンクをやめる
Junction -d <作成したフォルダ>
Google Chromeの<User Data>フォルダをD:\ChromeUserDataにもっていきたいときは、
junction "C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data" "D:\ChromeUserData"
とすれば良いわけです。
このコマンド他にもいろいろ使えますので、参考までに自分は
junction "C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data" "D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data"
としました。それでは手順を説明します。
- 上述のサイトからJunction.zipをダウンロードして解凍します。解凍してできたjunction.exeをC:\などにコピーしておきます。
- Google Chromeを終了します。タスクマネージャでchrome.exeが動いていないかどうか確かめた方が良いでしょう。
- User Dataを置きたいドライブに<D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>を作成します。
- <C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>以下にあるすべてのフォルダとファイルを作成した<D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>以下にコピーします。このときChromeが動いているとエラーが出てコピーできません。
- コピーが終了したら、<C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>を削除します。
- MS-DOSプロンプト開いて下記を実行します。
junction "C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data" "D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data"を実行します。
これで終わりです。ちゃんと動いているかどうか確かめましょう。
- <D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>を開きます。
- 適当なファイルを作ります。
- <C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>を開きます。
- <D:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data>に作成したファイルがあるか確認します。
- Google Chromeを立ちあげて動作を確認します。
以上で終わりです。なお、junctionの設定はWindows XPを再起動しても有効です。
Google Chromeそのものを別ドライブにもっていきたい場合は、<C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Application Data\Google\Chrome>を<D:\Google Chrome>などにして上記の操作をすると良いでしょう。
<C:\Documents and Settings\kuwajima\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data\Default\Cache>だけをRAMドライブにもっていくという方法も良いと思います。
このjunctionというコマンドはGoogle Chromeに限らずいろいろな目的で使えます。
例えば、<C:\Documents and Settings>を全部別なところにもっていくということもできそうです。<C:\Documents and Settings>の場所はレジストリをいじれば丸ごと別ドライブにもっていくことができるのですが、アプリケーションによっては<C:\Documents and Settings>でなければ動かないものもあります。junctionを使えば,実体は別のところにあってもアプリケーションは<C:\Documents and Settings>としてアクセスしますので問題は起きないだろうと思います。でも、これはちょっとやりすぎかな。必要なものをやった方が良いと思います。
操作にちょっと不安な人は、まずjunctionでいろいろテストしてみてください。
(追記)
Windows VistaやWindows 7ではWindowsの標準コマンドのMLINK.EXEというコマンドでシンボリックリンクを作ることができます。
また、頂いているコメントにある通り、Google Chromeは起動オプションでキャッシュの保存先を変更することができるようです。
好みにもよりますが、個人的にはunixやlinuxの経験から起動オプションよりもシンボリックリンクでキャッシュの保存先を変更する方法が良いかなと思っています。
あらゆるフォルダに関してドライブ名を意識しない環境で使いたいのですが、Windowsの場合は過去の経緯からそうは簡単にはいかないのだろうなと思います。
(追記)
Windows VISTAおよびWindows 7では、mklinkというコマンドがあります。
MKLINK [[/D] | [/H] | [/J]] リンク ターゲット
- /D ディレクトリのシンボリック リンクを作成します。既定ではファイルのシンボリック リンクが作成されます。
- /H シンボリック リンクではなく、ハード リンクを作成します。
- /J ディレクトリ ジャンクションを作成します。
- リンク 新しいシンボリック リンク名を指定します。
- ターゲット 新しいリンクが参照するパス (相対または絶対)を指定します。
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