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2008年8月 9日 (土)

人工降雨弾で雨避 北京五輪開会式

中国政府は、北京オリンピックの会場付近で雨が降らないようにと、ヨウ化銀を含むロケット弾を発射していたようです。

新聞の記事を見てみると、「人工消雨」という言葉がたくさん出てきますが、ヨウ化銀でできるのは「人工降雨」です。どうも読者を勘違いをさせてしまうような言葉の使い方で、気になります。

雲は氷の小さな粒でできていますが、氷の粒が成長して大きくなると雨となって落ちてきます。ヨウ化銀は結晶構造が氷に似ています。そのためヨウ化銀を大気に散布すると、ヨウ化銀の結晶を核とした氷が形成され、それが雲となります。大気中の湿度がある程度大きければ、氷の結晶の成長が促進され、雨が降ると言うことになります。水蒸気をたくさん含んだ雲の中にヨウ化銀を散布すれば容易に雨を降らせることができます。

今回のロケット弾の作戦は、北京オリンピックの開会式の会場に近づいてくる雨を降らせそうな雲にヨウ化銀を含むロケット弾を撃ち込み、早めに雨を降らせてしまい雲を消したということです。つまり、人工降雨させたというのが正解です。

それなのに各社の新聞は「人工消雨」と表現しています。北京オリンピックの会場の立場から見れば、降るはずだった雨が降らなかったので「消雨」としたのでしょうが、正しい表現ではないと思います。河北省では豪雨になったようです。

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関連記事:雲ができる仕組みは飛行機雲はどうしてできるの?で簡単に説明しています。

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