ガソリン価格180円超える
先日、このブログでも紹介しましたが、石油情報センターのサイトに掲載されているガソリン・灯油価格のデータが更新されました。各地でガソリンは軒並み1リットルあたり10円近くの値上げです。今年の夏休みはどこにも出かけないという家族が増えるかもしれません。原油高騰で、物価が高くなり、消費が抑えられ、経済が落ち込んでいく・・・
東京 レギュラーガソリン 6/30 173.6円/L 7/01 182.9円/L
灯油は18リットルあたり、200円の値上げ。北海道ではなんと270円近くの値上げになっています。灯油1リットル131円。こりゃたまりません。
北海道 灯油 6/30 2,099円/18L 7/01 3,066円/18L
http://oil-info.ieej.or.jp/price/price_ippan_kyuyujo_syuji.html
1999年にこんな原稿を書いていました。石油が高騰していることは間違いないのですが、現在の高騰の原因はマネーゲームです。本当に資源枯渇で困っている状態ではないというのが何だかなというところです。石油依存からの脱却には相当時間がかかるでしょうから、資源が枯渇するぞ!を合い言葉にマネーゲームはまだまだ続くのでしょう。
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石油はあとどれぐらいもつの?
石油はあと四〇年もちますと言われて、皆さんはこれを長いと思いますか?それとも短いと思いますか? あるいは10年以上前からほとんど同じ年数が示されていて、いったいどうなっているのだろうと思う人もいるかもしれません。実はこの年数にはきちんとした根拠があります。
一般的に石油がいつまでもつかを判断する数値として可採年数(R/P)が使われています。可採年数とはある年の確認埋蔵量(R)を年間生産量(P)で割った値です。
この数値は言わば生産量を需要と考え、確認埋蔵量を供給と考えて、需要と供給のバランスから石油があとどれぐらいもつのかを示したものです。確認埋蔵量は埋蔵が確認されている石油量のうち、現在の技術力と採算性から取り出すことができる石油の量を示すものです。
そのため、この数値は「地球に存在する石油の全量」を示したものではありません。確認埋蔵量は新しい油田が発見されたり、採掘技術が向上すると増加し、何らかの理由によって油田が閉鎖されるようなことがあったら減少するような性格をもつ数値です。
昔から石油はあと三〇年とか四〇年はもつと言われていますが、石油の消費量が増えているのに何年たってもその年数にあまり変化がないのは確認埋蔵量が増加しているからです。
現時点では石油の確認埋蔵量はおよそ一兆バレル、年間の生産量がおよそ二五○億バレルであり、可採年数はおよそ四〇年と言われています。
この数値は今後しばらくの間は大きく変化はしないであろうと考えられています。しかし、いつまでたっても四〇年であり続けるのかと言われると。決してそうではありません。石油資源が有限であるという事実は変わりません。このまま消費を続けると、孫やひ孫の時代には石油はなくなってしまうでしょう。
それでは、これから先人類が利用することができる石油はあとどれくらい地球に存在することが確認されているのでしょうか。その石油の全量はおよそ二兆バレルと言われています。年間の生産量が現在の数値で維持されると考えると、あと八〇年で石油がなくなることになります。
現時点では、まだ石油は余裕をもって使われている状態と言えますが、これから先は確実に残量が少なくなってきます。
石油が貴重なものとなり、価格が今よりもずっと高くなるかもしれません。また特殊な用途以外には使用できないなどの規制ができるかもしれません。
これまで人類は石油資源をエネルギー源として、あるいは化学製品の原料として大量消費してきました。これから先は残された貴重な資源を大切に使うことが重要です。今の社会は石油で文明が成り立っていると言っても過言ではありません。この石油依存文明を続けるのには限りがあり、石油が余裕をもって使えているうちに石油に代わる化学製品の原料やエネルギー源の開発・利用を推進していく必要があります。
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コメント
訪問者さん、いつも読んで頂いているとのこと、ありがとうございます。
WTIは生産量が少ないのですが、先物取引としては透明性が高く、世界の原油価格に大きく影響しますね。一日の取引量が生産量に比べてものすごく大きいのですよね。逆に言うと、世界のたった数パーセントの原油の価格が世界の原油価格に影響しています。
で、先物取引と現物取引の関係は下記などを見ると、なんとなくわかります。
http://buti.blog.so-net.ne.jp/2008-06-11
http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-1002.html
日本の○○石油会社がずばりいくらで仕入れているかといのは調べ切れていません。
投稿: toshizo | 2008年7月11日 (金) 02時07分
いつも拝見しています。
記事の趣旨とは異なりますが、σ(^_^)にはどうしても解らないことがあります。
それは「日本の石油会社は一体いくらで原油を購入しているのか?」ということです。
投機によって値上がりを続ける米国テキサス州の原油先物価格については連日のように報道されていますが、中東原油の現物価格についてはまったく知らされていません。
某国の購入価格は$30/バレルなんてウワサもありますよね。
投稿: 訪問者 | 2008年7月10日 (木) 09時54分