シリンドリカルレンズ
水を入れた牛乳びん越しに、ひらがなの「あ」を見てみると、下の写真のように見えます。
牛乳びんを縦置きにしたときには、「あ」の左右がひっくり返ります。横置きにしたときには、上下がひっくり反ります。どうして、このようなことになるかというと、牛乳びんが「円筒形」をしているからです。
光が円筒形の透明な物質を通るとき、光はレンズを通るときと同じように屈折しますが、光が屈折する方向としない方向があります。下図は半円筒形の切り口を示したものです。
球面レンズはどこを切り出しても、その断面に曲面がありますが、シリンドリカルレンズは図のように曲面のある断面と、曲面のない断面があります。すなわち、線分ABの方向でやってくる光は屈折して凸面の中心の方向へ折れ曲がりますが、線分CDの方向でやってくる光は屈折せずに素通りすることになります。
このような働きをするレンズをシリンドリカルレンズといいます。シリンドリカルレンズは文房具屋さんなどで売っています。下の写真のようなレンズです。本を読んだりするときに使います。
下図にシリンドリカルレンズを通る光を簡単に示します。A面やB面にそって入射する光はシリンドリカルレンズを通っあと直線上に集まります。また、逆向きの光を考えるとわかりますが、直線上に並んだ細かい目盛などを拡大して読み取ることができることになります。
先の文字を拡大した写真の例では直線上に並んでいる文字を拡大して見ているわけです。
シリンドリカルレンズはレーザープリンター、コピー機、バーコードのスキャニング、ホログラフィー装置、レーザー投影機などに使われています。
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