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2007年6月25日 (月)

道端のアジサイ|アジサイの色はどのように決まるのか

 アジサイの花びらは花ではない

 この季節、アジサイが咲き始めています。アジサイと言えば梅雨なのですが、今年は梅雨らしい日が続きません。

 アジサイは青色や赤色の花のように見える部分は本当は花ではありません。まるで花びらのようですが、この部分は「ガク(装飾花)」と言いいます。

道端のアジサイ
道端のアジサイ

アジサイの色はどのようにして決まるのか

 アジサイの色は青色だったり、赤色だったりします。同じところに咲いているのに、色が違っていたり、咲いている間に色が変化したりします。写真のアジサイも前と後ろ側の色が違います。

 植物の花の色はアントシアニンという色素によるものです。アントシアニンには、いくつか種類があります。その分子構造の違いが、色の違いの主な理由です。アントシアニンはpH(水素イオン濃度)が変化すると、発色する色が変化するという性質があります。一般にpHが小さい酸性では赤色、大きいアルカリ性では青色となります。まるでリトマス試験紙のようです。

 アジサイに含まれているアントシアニンはデルフィニジンという化合物です。

デルフィニジンの構造
デルフィニジンの構造

 アジサイの色は土壌が酸性だと青色、アルカリ性だと赤色となることが知られています。これは上記の説明とは逆になります。アジサイの花の色はpHだけで決まるわけではないことを示しています。

 アジサイの花の色を左右する重要な物質は土壌中に含まれるアルミニウムです。デルフィニジンはアルミニウムが結びつくと、青くなる性質をもっています。すなわち、アジサイは土壌中からアルミニウムを吸収すると青くなり、アルミニウムを吸収しないと赤くなるわけです。また花に含まれる補助色素がアジサイの色を決める重要な役割をしています。補助色素が少ないとアジサイがアルミニウムを吸収しても青色とはなりません。

 土壌が酸性ということはアルミニウムがイオンとして溶け出しやすいということを意味しています。アジサイはアルミニウムを吸収することができますから、青色となります。土壌がアルカリ性の場合は、アルミニウムが溶け出さないことを意味しています。アジサイはアルミニウムを吸収しません。すなわち赤色となります。

 同じ場所に咲いているのに色の違う花をつけるのは、アジサイの根が四方八方に広がっているからです。根が吸収するアルミニウムの量によって色が変わってくるのです。同じアジサイの色が変化していくのはクロロフィルの量や、細胞中の酸性度の変化などによるものと考えられています。

ところで、以前にサントリーが青い薔薇を作り出したという話がありましたが薔薇に遺伝子操作をしてデルフィニジンができるようにしたそうです。

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