一般相対性理論が証明された日
ボールを投げると放物線状に曲がりながら落下するように、私たちの身の回りにある質量をもつものはすべて地球の重力に引かれて地面に落下します。
アインシュタインはエネルギーと質量は等価であり、相互に交換可能であることを示しました。エネルギーと質量が等価であるならば、エネルギーをもっている光も重力の影響で曲がるのではないでしょうか。
アインシュタインは自ら導き出した結果から、光も重力で曲がると考えました。彼は大きな重力が働いているとろころでは空間が歪むため、光の道筋も曲がると考えました。光は歪んだ空間の中を直進するが、空間が曲がっているのだから、外から見ると光が曲がって進んでいるように見えると説明したのです。
これがアインシュタインの一般相対性理論です。この理論は長らく証明されませんでしたが、1911年5月29日の皆既日食のときに、太陽の陰に隠れて見えないはずの星が見えたことによって確かめられました。
この確認をしたのは、イギリスの天文学者アーサー・エディントです。彼は、皆既日食によって、太陽の光が遮断されたわずかな時間を利用して、太陽周辺に見える星を観察し、アインシュタインの一般相対性理論が正しいことを証明したのです。
エネルギーと質量が同等で、光が重力によって曲がるならば、光に質量があると言っても良いのしょうか。私たちが物体の質量を考えるとき、物体は静止しています。この静止した物体の質量を静止質量といいます。光のような素粒子の質量も静止質量で表します。計算で導かれた光の静止質量はゼロでした。ただし、光は静止することなく常に一定の速度で動いていますから、光の静止質量がゼロであるというのは便宜的な意味でしかありません。逆に言うと、静止質量がゼロの光は常に動いていなければならないのです。
エネルギーと質量が同等であるということについては、重力は質量だけでなくエネルギーを持ったものと相互作用するので、光も重力の影響を受けると考えてると良いでしょう。
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コメント
Henryさん、コメントありがとうございます。
また、当ブログをいつもご覧頂いているとのこと、とても嬉しく思います。
一般相対性理論でアインシュタインが示した等価原理はおっしゃる通り「慣性質量と重力質量が同一である(運動の加速度と重力加速度は区別できない)」です。
これは、外部の様子がわからない箱の中いる人は、自分にかかっている力が運動の加速度によるものなのか、重力加速度によるものなのか区別することができないということですね。アインシュタインは、この「箱男の思考実験」を考えているときに、この箱の壁に小さな穴を開けたらどうなるか考えたそうです。
光がこの箱を横切ったときに、光は小さな箱の中から入ってきますが、箱は動いているわけですから反対側の壁に光が到達するときには、光は穴の高さより低いところに到達することになるのではないか、重力と加速が同じだとすると、光は重力でも曲がると言えるのではなかと考えたそうです。これが等価原理です。
重力レンズは等価原理で説明できるのですが、質量とエネルギーの等価との関係について、相対論の専門の方に話を聞いたことがあります。質量をもつ物質が重力で曲げられるように,エネルギーも重力で曲げられると考えて良ろしいとのことでした。アインシュタイン方程式(重力場の方程式)を見てもわかるとおり、質量と重力の相互作用は,エネルギーを介して行っていると解釈しても良いということでした。
実はこのテーマをどのようにしたらわかりやすく説明できるか、いつも考えています。
何か良いアイデアがありましたらご助言くださいm(_ _)m
投稿: toshizo | 2007年5月30日 (水) 01時19分
始めまして。
このblogは興味深い記事が満載なので、いつも拝見させていただいています。
少し気になったので、コメントさせていただきます。
等価原理について、「エネルギーと質量は等価」との説明をされていますが、光が重力で曲がるという事象の根拠になる等価原理は「慣性質量と重力質量が同一である(運動の加速度と重力加速度は区別できない)」というものだと思います。
投稿: Henry | 2007年5月30日 (水) 00時14分