蛍光灯で影が二重になるのはなぜ?
太陽でできる影は濃くて鮮明です。しかし、蛍光灯などの光の場合には、濃い影のまわりに不鮮明な薄い影ができます。蛍光灯で机の上に手の影をうつしてみましょう。手を机に近づけると、影は濃くはっきりとうつりますが、机から離すと、影のまわりがぼやけます。どうして、このような現象が起こるのでしょうか。
太陽は地球から非常に遠くにあるため、影のでき方を考えるときには、点光源と考えることができます。点光源とは1点から放射状に光を放つ光源です。一方、蛍光灯などは面光源といい、電灯の面全体から出る光を考える必要があります。
下の図の(A)は点光源でできる影を示したものです。点光源は1点から光が出ますので、濃い鮮明な影ができます。それに対して(B)は面光源でできる影を示したものです。電灯の両端から出た光はそれぞれ影を作りますが、光がまったく当たっていない部分と、影もできるが光も当たっている部分ができます。前者の部分の影を本影、後者の部分の影を半影といいます。
面光源の場合は、(C)のように、影のできる面に物体を近づけると、半影の部分は少なくなり、遠ざけると半影の部分が多くなります。
普通の電球(ガラス面が白いもの)でも本影と半影はできます。ところがクリア電球(ガラスが透明なもの)でははっきりとした影ができ半影は目立ちません。白い電球はガラス面全体から光が出るため面光源になっているからです。クリア電球は電球内部のフィラメントの光が直接出てくるため点光源と考えることができます。
【追記】
太陽でも地面と物体の距離が大きくなると、半影はできます。例えば、空を飛んでいる飛行機が地面に作る影をよく見てみると二重になっています。
5号館のつぶやきさんが6月11日に投稿された「地球に映った月の影」という記事の中で、月の影を宇宙ステーションのミールから撮った写真を紹介されています。これも半影のために影がぼやけているのです。
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コメント
地上だと認識するの厳しそう(笑)
投稿: toshizo | 2008年4月15日 (火) 00時17分
ご紹介ありがとうございます。
先日乗っている飛行機から、地面に写ったその飛行機の影を見ました。
2重になっているかはわかりませんでしたが、
「地上では、ものすごい勢い(時速600kmくらい)で、影が通り過ぎて見えてるんだよな。でもわかるわけないか。」って思っていました。
そのことを隣に座っていた、S汰にいうと、
「ぼく、見たことあるよ。飛行機の影がものすごい勢いで通り過ぎたんだけど、音がしなかったんだ」って言ってました。
ちょっと話がそれました
投稿: 芽 | 2008年4月14日 (月) 21時00分