チャーリー・チャップリン生まれる 映画「独裁者」の演説の内容
今日4月16日はチャップリンの日です。チャーリー・チャップリンは1889年4月16日に生まれました。
チャップリンの映画で好きなのは、「街の灯」と「独裁者」です。他のも好きですが、この2つが印象に残っています。
ということで、今日は久しぶりに独裁者を見ました。
この映画は第2次世界大戦中のナチスドイツをパロディにした映画ですが、単にパロディというだけでなく、チャップリンの戦争反対という考えが伝わってきます。
この映画で、チャップリンは一人二役を演じています。一人は戦争に兵隊として駆り出され記憶を失って町に戻ってきたユダヤ人の床屋、もうひとりはナチス政権下のドイツに相当するトメニアという国のヒンケルという総統の役です(ヒトラーに相当する)。
ヒンケルはユダヤ人を迫害し、ユダヤ人の町に襲いかかりますが、ある事件をきっかけに、ヒンケルにそっくりな床屋が、ヒンケルに間違われて、トメニアの総統ヒンケルの立場になってしまいます。
ヒンケルは富国強兵を進め、民主主義に反対する演説を繰り返していますが、この床屋が国民の前で演説をしなければならい状態になります。
演説などしたことのない床屋は困ったような顔をしますが意を決した彼はこのように演説します。
「申し訳なかった。私は皇帝なんかにはなりたくない。支配もしたくない。できれば皆を援助したい。ユダヤ人も、黒人も、白人も。人類はお互いに助け合うべきなのである。他人の幸福を願って、お互いに憎しみあうべきではない。世界には、全ての人類を養っていくことができる富がある。人の人生は自由であり、楽しいものであるはずなのに、貧困と欲が人類の心を毒して、憎悪を作り出し、悲劇と流血を招いたのだ。スピードも意思を通じさせず、機械は貧富の差を作り、知識を得て人類は懐疑的になった。思想だけがあって感情がなく人間性が失われた。知識より思いやりが必要である。思いやりがないと暴力だけが残るのである。航空機とラジオは我々を接近させ、人類の良心に呼びかけて、世界をひとつにする力がある。私の声は全世界に伝わり、失意の人々にも届いている。これらの人々は罪なくして苦しんでいる。人々よ、失望してはならない。やがて貧欲は姿を消す、恐怖も消え去り、独裁者は死にたえる。大衆は権力を再び取り戻し、自由は決して失われない。兵士たちよ、犠牲になってはいけない。独裁者の奴隷になってもいけない。独裁者たちは諸君たちをあざむく、諸君に犠牲を強いて、家畜のように追い回す。独裁者たちは人間ではない。心も頭も機械と同じだ。諸君は機械ではない、人間なんだ。心に愛を抱いている。愛を知らぬ者だけが憎しみ合う。独裁をしりぞけ、自由の為に戦うべきだ。神の王国は人間の中にあるんだ。1人の人間の中だけではなく、すべての人間の中に、諸君の中に。諸君は幸せを生み出す力をもっている。人生は美しく、自由で、すばらしいものなのだ。諸君の力を民主主義のために集結しよう。よき世界を作るために戦おう。若者には希望を与え、老人には保障を与えよう。独裁者も同じ約束をしたが、奴らは約束なんて守らない。奴らは野心を満たし、大衆を奴隷にしたのだ。戦おう、約束を果たすために。世界に自由をもたらすんだ。国境をなくして、貧欲と憎悪を追放しよう。良識のために戦っていこう。文化の進歩が人類すべてを幸せに導いていくように。兵士たちよ、民主主義のために団結しようじゃないか」
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・チャーリーのルーツ|チャップリンの日(1889年4月16日)
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