ティラノザウルスとニワトリの関係
アメリカの研究チームが約6800万年前のティラノザウルスの骨から抽出したタンパク質を現存する動物と比較した結果、分子レベルでニワトリのものと同様であることがわかったらしい。この記事は時事ドットコムなどにも掲載されているが、BBC News Protein links T. rex to chickens(英語ですが) の記事がわかりやすい。
Science誌の元記事はこちらです。
Analyses of Soft Tissue from Tyrannosaurus rex Suggest the Presence of Protein
恐竜と鳥類の近い関係にあるという説が分子レベルでも確認されたということなわけですが・・・
知人の生物の専門家に教えてもらったのですが、絶滅したゾウのマストドンとティラノザウルスの完全に石化していない化石からタンパク質のコラーゲンをとりだして、それぞれのアミノ酸の配列の一部の構造を質量分析計で調べて、現存する動物と比較したようです。その結果、マストドンは哺乳類に近、ティラノザウルスはニワトリに似ているという結果が出たとのことです。しかし、コラーゲンというのはあまり進化しないタンパクで、恐竜のアミノ酸の配列は20個ほどしか残っていなかったので、この結果は精度が高いわけではないらしく、この結果をまったく評価していない学者もいるそうです。
たいへんに興味がある結果ですが、恐竜と鳥とは関係があるという説の証明までには至らないようで、あくまでも補強材料ということです。でも、きっと関係あるんだろうなと思います。
しかし、日本の報道では「血族」って言葉が使われていますが、「血族」ってのは、いわゆる血のつながりのことを意味しているわけで、科学的に正しい表現ではないなと思ってしまいました。
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