« 函館山 | トップページ | 6丁目の夕日 »

2007年3月 4日 (日)

蛍光灯のしくみ

 「蛍光灯は蛍の光と同じ原理で光ります」と言うと、どれくらいの人がピンとくるでしょうか。さて、蛍の光と蛍光灯の光はどういった部分で同じ原理だと言えるのでしょうか。

 蛍光灯は放電灯の一種です。放電灯は特殊なガスをガラス管に封入しガラス管の両端の電極に高電圧を加えて放電・発光させるタイプの電灯です。放電灯の発光原理は電気ルミネセンスといって、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するものであり白熱電球の熱放射とは根本的に異なります。

 一般に、ルミネセンスとは、エネルギーを吸収した物質がそのエネルギーを直接光として放出する現象を言います。ルミネセンス発光させるためには外部から何らかの刺激が必要で、刺激が電気によるものを電気ルミンセンス、化学反応によるものを化学ルミネセンス、生物によるものを生物ルミネセンスのように言います。ルミネセンス発光は、光を取り出す効率が高く、しかも熱放射のように発光体の温度が高くなることはありません。蛍も蛍光灯もルミネセンスという同じ原理で光ります。

 蛍光灯は図のようなしくみになっています。蛍光管は円筒形のガラス管で、両端に電極が取り付けられています。電極はタングステンフィラメントで、エミッターといわれる電子放射物質が塗られています。ガラス管の中には、アルゴンなどの希ガスとわずかな水銀が封入されています。ガラス管の内壁には蛍光物質が塗られています。グローランプは蛍光管の放電を起こすために必要で、安定器は蛍光管の放電を安定させる働きをします。

Photo_4

 蛍光灯のスイッチを入れると、まずグローランプが点灯します。グローランプが消えると、蛍光管の電極に高電圧がかかり電極から熱電子が飛び出します。熱電子が水銀原子と衝突すると、水銀蒸気から紫外線が発生します。この紫外線は蛍光管の内側の蛍光物質に当たると可視光線に変換され、その結果蛍光灯が光ります。

 蛍光灯の光の色は蛍光管の内側に塗る蛍光物質によって変えることができます。蛍光管が点灯しているとき蛍光管の表面の温度は40℃くらいで白熱電球より明るい光が得られます。普通の蛍光灯は交流で点灯するので光がちらつきますが、最近の蛍光灯には、これを解決するためにインバータという回路が組み込まれています。

人気blogランキングへ

| |

« 函館山 | トップページ | 6丁目の夕日 »

身近なものの仕組み」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 蛍光灯のしくみ:

« 函館山 | トップページ | 6丁目の夕日 »