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2011年6月23日 (木)

毒性の種類と評価

 毒物や毒性と言うと私たちの身近な生活とはかけ離れた世界のものと考える人もいるかと思います。しかしながら、食品、化粧品、洗剤など私たちの身の回りにあるものは、そのほとんどが毒性と深く関係していると言っても過言ではありません。安全?と思われるものも量が多ければ、その毒性は無視することはできません。

 私たちの身の回りのものは様々な原材料で作られています。例えば食品にはその保存性を高めたり、味や色などを整える目的などで食品添加物が使われています。それらの物質は天然物であったり、合成物質であったりするわけですが、多くの物質はある種の毒性をもっています。

 毒性のある物質をわざわざ使うのは何故?と思う人もいると思いますが、逆にその物質を使わなければ、食品が腐りやすいとか、見た目や味が悪くて売れないなどの問題が出てきます。そこで、毒性があることは認められていても、人体に影響しない範囲の量であれば問題ない、あるいは総合的な安全を考えると使用はやむを得ないという判断から使用が認められているわけです商品の成分表示に記載されている様々な化学物質は全て毒性評価が行われて使用が認められているものです。

 毒性の種類には大きく分けると急性毒性、慢性毒性、特殊な毒性(催奇形性、変異原性、発がん性など)があります。このうち催奇形性とは妊娠中の母体が毒物を摂取したときに、胎児に奇形などの影響が出る毒性のことを言います。変異原性とは細胞の遺伝子や染色体に影響が出る毒性であり、発がん性にも関係しています。最近では、繁殖に関係する毒性(生殖機能や新生児の生育への影響)や抗原性(アレルギーなど)と言った毒性も注目されるようになってきました。物質によっては、複数の毒性を持つものもあり、その評価は多角的かつ確実に厳しく行われなければなりません。

 毒性の評価は安全性試験で行われます。安全性試験はマウスやウサギなどの哺乳動物に毒物試料を与え毒性の評価をするものです。急性毒性は致死量で評価されますが、慢性毒性や特殊な毒性については、その試料を与えてから結果が出るまでに相当の時間を要します。これらの試験は実験動物に一年以上にわたって毎日一定量の試料を与え、その影響を調査することによって行われます。この結果から毎日一定量の試料を一生食べ続けても異常が発生しないとされる最大無有害作用量(一日の量)が推定されます。

 最大無有害作用量に、動物と人間の差や人間の個体差を考慮して、百分の一の安全率(物質によっては、さらに小さい値)をかけ、人体に対する一日摂取許容量(ADI)が決められます。一日の摂取量がADIの範囲内であれば、その物質を接種しても安全であるということになります しかし、この評価はあくまでも動物実験の結果とこれまでの経験から推定されたものです。実際に突き詰めて考えると安全とは断言できないという指摘もあります。

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