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2011年4月12日 (火)

原発の事故のレベル 国際原子力事象評価尺度

福島第1原子力発電所の事故がレベル7に引き上げられました。そもそも、このレベルってどうやって決められるのでしょか。

このレベルの正式な名称は国際原子力事象評価尺度(International Nucleaer Event Scale)といいます。

1992年に国際原子力機関 IAIE (International Atomic Energy Agency)と経済協力開発機構原子力機関 OECD/NEA (Organization for Economic Co-operation and Development / Nuclear Energy Agency)が採用した尺度で、原子力発電所の事故の標準化のために定められました。そのレベルは次のように定められています。事故が発生して問題が生じたとき、その問題のうち最も高い基準でその事故の評価結果のレベルが決まります。

レベル

基準1(事業所外)基準2(事業所内)基準3(深層防護の劣化)

7

深刻な事故

放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出 原子炉や放射性物質障壁の崩壊、再建不能

6

大事故

放射性物質のかなりの外部放出:ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出 原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害

5

事業所外へのリスクを伴う事故

放射性物質の限定的な外部放出:ヨウ素131等価で数百から数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出 原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷

4

事業所外への大きなリスクを伴わない事故

放射性物質の少量の外部放出:法定限度を超える程度(数ミリシーベルト)の公衆被曝 原子炉の炉心や放射性物質障壁のかなりの損傷/従業員の致死量被曝

3

重大な異常事象

放射性物質の極めて少量の外部放出:法定限度の10分の1を超える程度(10分の数ミリシーベルト)の公衆被曝 重大な放射性物質による汚染/急性の放射線障害を生じる従業員被曝 深層防護の喪失

2

異常事象

かなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量当量限度を超える従業員被曝 深層防護のかなりの劣化

1

逸脱

運転制限範囲からの逸脱
0 安全上の問題なし
尺度以下 評価対象外:安全に関係しない事象

基準1:原子力発電所の施設外への影響の基準

放射性物質の施設外部への放出、一般公衆の個人の被ばく線量などの発電所施設外への影響の観点からの基準。最も低いレベルは3。

基準2:原子力発電所の施設内への影響の基準

放射性物質の施設内の汚染や従業員の過剰被ばくなどの発電所内への影響の観点からの基準。最も低いレベルは2。原子炉の炉心損傷になるとレベル5になる。

基準3:深層防護の劣化の基準

原子力発電所の安全を確保するための機能(これを深層防護という)の劣化の観点からの基準。深層防護は、原子力発電所の安全を確保するための安全システムや定例試験、定期検査、保守点検、運転方法などこと。 レベル0からレベル3まで。

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今回の福島第一原子力発電所の事故では、3月11日の暫定評価はレベル4でした。自動的に停止し、冷却ができない状況ということでしたから、冷却さえ再開できればレベル4でおさまるという判断だったのだろうと思います。

事態は刻々と深刻な状況に変わりつつありました。12日には1号機が水素爆発、14日には3号機が水素爆発しています。当時、水素がどこから発生したのかという話がありましたが、格納容器から漏れたという見方が既に出ていました。その後も厳しい状況が続いたにも関わらずレベルを5に引き上げたのはやっと18日になってからのことです。

そして、3月11日から4月5日までの放射性物質の放出総量から、4月12日なってレベルをいっきにレベル7まで引き上げると発表しました。

レベル7はチェルノブイリ原発事故と同じレベルとありますが、チェルノブイリの事故で放出された放射線物質の総量は520万テラベクレル。一方、福島第一原子力発電所の事故での放出量は多く見積もって63万テラベクレルと考えられています。

この量はレベル7の数万テラベクレルという基準に相当しますので、その評価はレベル7であることは間違いありませんが、放射能の放出量という意味ではチェルノブイリの原発事故よりは少ない状況です。また、現在の放射能の放出量は低下してきていますので、チェルノブイリ事故ほど放射性物質が放出されることはないだろうと思います。ただし、まだ事態が収拾したわけではないので、放射性物質の放出は続いています。飛散しないようにすることが重要だと思います。

しかし、4月5日からもう既に1週間経過しています。これはあまりにも遅い発表と思います。こうなると選挙の後に発表されたというのも偶然とは思えません。

こんな進め方ではますます信頼を失うでしょう。国民は何を信じて良いのかわからなくなります。

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