科学技術リテラシーとしての基本用語事典
科学技術振興機構(JST)の研究費で作られた「科学技術リテラシーとしての基本用語事典」というのがあります。科学技術リテラシーとしての基本用語事典で公開されています。近い将来、技術評論社から事典として販売される予定です。20項目ほどの解説を担当しました。
概要をこちらに転載しておきます。
【研究目標】
「市民の科学技術リテラシーとしての基本的用語事典」を作成し、WEBおよび単行本の形態で世に公表することである。
【研究開発項目】
内容としては、
・科学技術(数学以外の自然科学、工学[技術、工業])の基本的用語の選定とその簡潔な解説を行うこと
である。
科学技術リテラシーには、科学技術の基本概念を理解し、科学技術の思考方法を活用でき、社会における科学技術の有効性と限界を認識できることなど多様な側面があろう。
本研究は、先の研究を基盤にしながら、21世紀に市民がもっているべき科学技術リテラシーを、その最も土台になる科学技術の基本概念の理解という側面に注目し、基本用語の選定と市民を対象として市民が理解可能なレベルでの解説とを具体的なかたちでまとめようとするものである。
「市民の科学技術リテラシーとしての基本的用語事典」を作成し、WEBおよび単行本の形態で世に公表することで、
・市民一人一人が自分のもつ科学技術リテラシーのレベルを理解することができるようになる。
・市民の科学技術リテラシーの広さ、レベルについて議論する手がかりになろう。・学校教育、生涯教育において科学技術リテラシーの育成を議論する際の基礎的なデータの一つになる。
・学校教育のカリキュラム作成の際に手がかりになる。ことが予想される。
【実施内容】
(1) 基本的用語の選定
そのためには、まず何が基本的用語かを選定することが必要である。
用語案の抽出には、検定中学校教科書、検定高校教科書(理科、技術・家庭、保健、国語の説明文等)、新聞(データベース)、年報的な用語集(『現代用語の基礎知識』『知恵蔵』等)をメインにする。
とくに、生活の中での消費者としての側面、労働者としての側面、科学技術の問題や政策を考える側面から、21世紀に必要な市民の科学技術リテラシーとしての基本用語を選定する。学校教育としては高等学校卒業段階を想定する。また、中学校や高等学校のどの段階のどの教科の教科書で扱っているか(あるいは扱っていないか)、新聞ではどの程度の頻度で出ているか、なども補足データとして加える。
このようにして抽出した基本的用語案を、研究代表者・分担者の討議、メーリングリストを活用した意見交換のなかでレベルの統一をし、それに伴っての絞り込みを行った。次のような実施内容で用語の絞り込みを行った。
・現代社会で必要な科学技術リテラシーとは何か、それと関連してどういう観点から基本的用語を選定していくかを議論していく。・各分野のグループごとに第一次用語選定を行い、それを交流し、検討する中で、選定基準をできるだけ統一していく。
・第一次基本的用語選定及びその検討後に、第二次用語選定を行う。
・第二次基本的用語選定の用語を研究協力者にも検討して貰う。
・その後、とくに各分野間の不統一をできるだけなくすために研究打ち合わせ会を開く。
・各分野において第三次基本的用語を選定していく。
・さらにそれを研究協力者にも検討して貰う。
・新理科教育メーリングリスト(参加者1500人。代表は研究代表者:左巻 健男)や左巻 健男運営のブログ(●さまきたい●にも用語案を示して、メーリングリスト参加者やブログ閲覧者にも検討して貰う。
(2)ニセ科学フォーラムの開催
さらに、科学リテラシーに関わって“ニセ科学”(科学の専門家かから見て科学ではないのに、「科学っぽい装いをしている」あるいは「科学のように見える」にもかかわらず、とても科学とは呼べないものを指す。疑似科学やエセ科学とも呼ばれる)についてのフォーラムを開いた。(平成18年度 京都と東京の2回、平成19年度 東京の1回、平成20年度 東京の1回の計4回)
(3)基本的用語の分類
そこでの討議や総括からのコメントで、基本的用語を、より市民レベルにするために領域を、
・生活・健康/・環境/・生物/・地学/・化学/・物理/・工学
とすることができた。
(4)解説の執筆
基本的用語の選定ができたら、最後の段階がそれぞれについて平均400字程度の解説を科学技術リテラシーの観点で執筆した。これは、研究代表者・分担者だけではなく、別途に研究協力者の協力を仰いだ。
解説の執筆は、メーリングリストを使い、一次原稿→お互いに査読→二次原稿→ お互いに査読→三次原稿 まで行った。
現在、この段階のものをWEBに公開する。
(5)市販の事典を編集中
WEB公開の内容をもとに編集し、市販の『科学技術基本用語事典』(仮題)として発行の準備を進めている。発行元は、技術評論社に決定している。
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