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2007年4月27日 (金)

凸レンズを半分隠すと実像はどうなるか

凸レンズで天井の蛍光灯の実像を机の上に作ると、下の図の左のようになります。

Photo_6

赤い光線のは、蛍光灯の右端を出てレンズに平行に入る光です。レンズに平行に入る光は、レンズの焦点を通ります。の光線は、蛍光灯の右端を出てレンズの中心を通る光です。レンズの中心を通る光はそのまま直進します。緑の光線は蛍光灯の左端を出る光です(と同じです)。青の光線は蛍光灯の中心を出て、レンズの中心を通る光です。

さて、このレンズの半分を上の図の右側のように半分隠すと、蛍光灯の実像はどのようになるでしょうか?

実像が半分になる? 何も変わらない? いったい蛍光灯の実像はどのようになるでしょうか?

上の図の左側をもう少し詳しく描いたものが下記の図(A)です。

Photo_7

 凸レンズで実像ができる仕組みは中学校1年生の理科で習います。物体の1点から出て、凸レンズを通る光のうち、レンズの光軸に平行に入る光、レンズの中心を通る光、凸レンズの手前の焦点を通る光の3つの光は、常に次のような進み方をすると習います。

 1.凸レンズの光軸に平行な光は屈折したあと焦点を通る。
 2.凸レンズの中心を通る光は屈折せずにそのまま直進する。
 3.凸レンズの手前側の焦点を通る光は屈折したあと光軸に平行に進む。

 凸レンズでできる実像は、この3つの光線を使って上の図(A)のように作図することができます。この3つの光の交点が、物体の1点に対応する像ができる位置となります。

 図(A)では、物体の1点から出る3つの光線しか描かれていませんが、実際には光は物体の1点から四方八方に出ています。下の写真は電球に多数の隙間のあるカサをかぶせたものです。蛍光灯の表面の1点から出る光もこのように四方八方に広がっています(この写真は二次元的な広がりはよくわかりますが、実際には光は3次元的に広がっていきます)。

Light0

物体の1点から出る無数の光線のうち、凸レンズを通る光線を描いたのが図(B)です。たくさんの光線がレンズを通っているのです。図(A)で描いた3本の光線はこれら無数の光線を代表したものに過ぎません。

Photo_8

それでは、一番はじめの図の右側のように凸レンズをしゃへい板で半分隠してみましょう。

そのときの光の進み方を示したものが下の図(C)です。

Photo_9

図(C)を見るとわかる通り、しゃへい板でレンズを半分隠しても、物体の1点から出た光の一部がさえぎられるだけです。

ですから、レンズを半分隠しても実像はきちんとできます。半分だけの実像になるわけではありません。その代わり、レンズを通る光線の数が少なくなります。これはレンズを通る光の量が少なくなることになりますので、スクリーンにできる像は暗くなります。

この説明だけを読んで「実像が暗くなるなら良いことはないな」と思う人もいるかもしれません。ところがレンズをしゃへい板で隠すというのは綺麗な像を作るためには非常に重要なことなのです。例えば、カメラには「絞り」がついています。「絞り」を絞ることで明るさを調節することができます。

581

この絞りの度合いはFナンバーで現されます。Fナンバーは像の明るさだけではなくて、解像度にも関係してきます。その話はまた次の機会にしたいと思います。

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コメント

こんにちは。

紹介ありがとうございます。
明日が、中学1年生版『光のお勉強講座?』です。
他も見せていただいて、参考にします。
ありがとうございました。 (*^-^)b

別件の雑談ですが、改行されたりもしていません。
私だけなのかな?
諸々ありがとうございました。
こちらのコメントで、お礼のメールとさせていただきます。

また、よろしくお願いいたします。

投稿: ちっちゃな科学の芽 | 2007年7月10日 (火) 10時03分

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